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2023.03.13

完結編:言語聴覚士の視点からみたTVドラマ『リエゾン』の感想⑨

『リエゾン』最終回(第8回)の感想です. 

『リエゾン』は,クリニックや支援学級で働く言語聴覚士が出演する漫画が原作のTVドラマで,1/20(金)より始まりました.

(金曜ナイトドラマ『リエゾン』についてはこちらをご参照ください.)

感想を寄せてくださったのは,言語発達支援センターで言語聴覚士として臨床もされている吉岡先生です.

吉岡先生のご紹介はこちら

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 リエゾンに関する感想も最終回になりました。先週に続きASD(Autism SpectrumDisorder、自閉スペクトラム症、いわゆる自閉)児が母親の死を理解する(知る)こともテーマの一つでした。ASDの女の子はお母さんの死を理解しつつあり、パニック状態になっているのではないかと感じました。昔、学会で重複障害児に関するシンポジウムを企画したときに、シンポジストの一人(友人です)が「すべての行動には意味がある」といった趣旨の発言をしたことを思い出しました。ASDの女の子が遊園地にいったという行動にも意味があったのです。

 私が訓練をしているお子さんに関して、日常生活場面で行動面の大変さを聞いたことがあります。子どもを育てる大変さを思うと心が重くなります。子どもが健やかに成長するには、まず親御さんの安定が必要だと思うからです。このような場合、一人の専門職にできることは限られてしまいます。このようなときは社会的資源を活用できる専門職の活躍が期待されます。チームによる連携活動です(本学の教育特色でもあります)。
 では、言語聴覚士は何ができるのでしょうか。子どもを直接の対象とする場合は、コミュニケーションの改善、言葉の力を伸ばすこと、発音を直すことが優先事項だと思います。それに加えて、言葉や就学に関する迷いや悩みに耳を傾けて、親御さんに助言をすることも大切な仕事だと思っています。ドラマの中でお父さんは、頼まれた買い物を忘れたことで妻が交通事故に遭って死んでしまい、自分を責めていました。どんな専門職といえども、親の本音をなかなかうかがい知ることはできません。そんな本音を引き出せるような関係を作り出せればと思います。
 ドラマのグリーフケアの場面では、ASDの女の子が泣いてしまった弟の頭をなでて、「怒らないよ」と言っていました。これは大きな変化だと思いますが、毎回大きな変化があるとは思えません。言語聴覚士としては、訓練場面でみられた小さな変化を見落とすことなく、親御さんにその意味を含めて伝えられたらと思います。それが明日へのモチベーションになると思うからです。子どもの未来を止めることなく、関わって行きたいと願っています。
 リエゾンシリーズに絡めて、思うところを綴ってきましたが、今回で一区切りです。最後までお読みいただき感謝いたします。有り難うございました。リエゾンは児童精神科医の話でしたが、真の主人公は毎回登場する子どもたちだと感じました。医療における主人公は患者さんだと強く感じました。また、患者さんと関わるのは医師や看護師だけではなく、言語聴覚士のような医療専門職もあるのだなと知っていただければ幸いです。
 なお、言語聴覚士はドラマの堀凛のように話すわけでも着飾っているわけでもありません、念のため。

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STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.

新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.

#小児発達