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2023.03.10

言語聴覚士の視点からみたTVドラマ『リエゾン』の感想⑧

『リエゾン』第7回の感想です. 

『リエゾン』は,クリニックや支援学級で働く言語聴覚士が出演する漫画が原作のTVドラマで,1/20(金)より始まりました.

(金曜ナイトドラマ『リエゾン』についてはこちらをご参照ください.)

感想を寄せてくださったのは,言語発達支援センターで言語聴覚士として臨床もされている吉岡先生です.

吉岡先生のご紹介はこちら

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 今回は、佐山先生が佐山記念総合病院長の息子であることが判明しました。私たちには縁遠い話かと思いましたが、いろいろと考えさせられることがありました。まずよく指摘される3時間待ちの3分診療。特に心療科では患者さんの話に耳を傾けることが大切なのに、パソコン画面を見ていて、傾聴が実践されていないという設定。臨床あるいは人を支える職業で大切なのは機器や設備ではなく、人そのもの、人と人との関係なのだと思わされました。
 母親を亡くしたASD(Autism Spectrum Disorder、いわゆる自閉症)の少女が出てきました。騒音などに過敏な聴覚過敏、朝はフレークしか食べないという偏食・こだわり、佐山先生の言葉をそのまま繰り返していた反響言語(エコラリア)などの演技をしていました。大変だったと思います。
 この流れでグリーフケア(悲しみに対するケア)の話があり、我らが仲間、言語聴覚士の堀凛さんが活躍していました。グリーフケアではありませんが、言語聴覚士がかかわる社会活動の中には「失語症友の会」といった会や、先日ブログで紹介のあった口蓋裂関係の会もあります。口蓋裂は生まれたときから治療が始まり、成人するまで治療が続くことがあります。そのような時、我が子の将来を示してくれる患者さんの会はとても貴重とい
えるでしょう。それらを支えるのも言語聴覚士に託された責務の一つかもしれませんね。
 来週はいよいよ最終回のようです。どんな展開になるのでしょうか。

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吉岡先生,ありがとうございました.

みなさん,次回の投稿もお楽しみに!

以下,関連記事です.合わせてご覧ください.

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・今までの放送分の感想

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STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.

新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.

#小児発達