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2023.01.31

言語聴覚士の視点からみたTVドラマ『リエゾン』の感想②

『リエゾン』第2回が放送されました.

『リエゾン』は,クリニックや支援学級で働く言語聴覚士が出演する漫画が原作のTVドラマで,1/20(金)より始まりました.

(金曜ナイトドラマ『リエゾン』についてはこちらをご参照ください.)

言語発達支援センターで言語聴覚士として臨床もされている吉岡先生が,ドラマを見た感想を寄せてくださいました.

吉岡先生のご紹介はこちら

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 今回は録画をして観ました。今回のテーマはうつ病の父と娘の話でしたので、言語聴覚
士役の志田未来さん(堀凛)は回想で1秒程度の主演でした。残念!!
 今回は臨床心理士が主人公の志保先生にいろいろな質問をするという場面がありました
。言語聴覚士も同じようなことをする場合があります。これは問診といわれるもので、今
の問題がいつ頃から生じたのかを知る重要な情報収集手段です。ですから、専門知識に基
づいたコミュニケーション能力が医療職には求められます。
 今回の主人公の一人である女の子は多動傾向が指摘されていましたが、その程度は子ど
もによって様々です。ちなみに、診療所でのミーティングの際、主人公の志保先生はミー
ティング中ずっと足を動かしていました。これは多動傾向を示している演技だと思います
(私も昔貧乏ゆすりを指摘されることがありましたので,ドキッとしたみなさん心配しないでください)。
 父娘の診察場面では父親のきちんとした服装が目にとまりましたが、それを危険なサイ
ンとして捉えていました。私たち言語聴覚士もサインを見逃さないようにしたいものです
。どのような仕事であれ、あることを仕事として行うとルールと思考法が確立して行きま
す。しかし、そんなときでも誰のためにこの仕事をしているのかを視点の大切さを志保先
生は教えてくれました。私は言語聴覚士として数十名のお子さんの訓練を大学で行ってい
ますが、遠くは1時間以上をかけて来られて、40分程度の訓練しかできず申し訳ないなと
感じることがあります。ただ、親御さんには今日の成果とこれからの課題を伝え、相談事
があれば話し合うように努めています。何気ないやりとりも訓練の一部なのですね。
 来週の予告では、言語聴覚士の堀凛さんが活躍するようです。原作と同じような内容か
もしれませんし、オリジナルなシナリオがあるのか、楽しみに待ちたいと思います。

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吉岡先生,ありがとうございました.

以下,関連記事です.合わせてご覧ください.

TVドラマ『リエゾン』の予習?

・前回放送についてはこちら(言語聴覚士の視点からみたTVドラマ『リエゾン』の感想)

STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.

新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.

#小児発達