『リエゾン』第6回の感想のつづきです.
『リエゾン』は,クリニックや支援学級で働く言語聴覚士が出演する漫画が原作のTVドラマで,1/20(金)より始まりました.
(金曜ナイトドラマ『リエゾン』についてはこちらをご参照ください.)
感想を寄せてくださったのは,言語発達支援センターで言語聴覚士として臨床もされている吉岡先生です.
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今回は読み書き障害だけにスポットを当てますね。
まず、佐山院長が診断した限局性学習障害はSpecific Learning Disorderの訳で特異的学習障害とも言われています。その症状の中に読み書き障害があります。読めなければ、当然書けないので、読み書き障害となります。ただし、読み書き障害というためには聞くことや話すこと、図形などを区別することに大きな問題のないことが大切です。
ドラマでは50音表は読むことができていました。これは聞こえ(聴覚)を通して覚えていったという説明でした。たしかに私が実際に訓練を実施したお子さんは「繰り返すと覚える」と教えてくれました。その他に規則性を持った並び(系列語)であったことも関係していると思います。訓練では仮名一文字を多くの選択肢から選び出す(マッチング)課題をやっていましたが、ちょっと選択肢が多いかなと感じました。もちろん、子どもの状態によってはOKです。テレビのようなやり方が難しい場合は選択肢の文字カードを減らしたり、逆に簡単なようであったら、文字カードの配列をランダムにして、カルタのように実施するといった方法もあると思います。
ドラマでは読み書き障害を軽減する手段の一つとしてICT(タブレット)を使用していました。私が担当したお子さんの訓練では文章を文節ごとに色分けして読んでもらっていましたが、残念ながら読みやすくなったという印象はなかったようです。読み書き障害は文字言語をもつ言語で初めて問題となり、日常生活ではわかりにくい症状です。このようなお子さんの支援がより適切にできるようになりたいものです。
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吉岡先生,ありがとうございました.
みなさん,次回の投稿もお楽しみに!
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・今までの放送分の感想
STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.