
こんにちは。言語聴覚学科2年の池田一葉です。1年後期に選択科目UROP(研究プロジェクト演習Ⅰ)を履修したのでご報告をします。
UROP(研究プロジェクト演習)とは学部生の「知りたい!」気持ちに応える研究サポートプログラム(選択科目)です。1年後期から4年前期まで履修することができます。私は1年生の後期に履修登録をしました。
【UROP履修の流れ(後期履修の場合)】
2024年4月 | 担当の先生に依頼 |
9月 | 履修登録・計画書提出 |
10月~1月 | 「言語発達支援センター」見学、担当教員と週に一度データ分析・スライド作成 |
2025年4月 | 報告会参加(オンライン)・報告書提出 |
〈履修したきっかけ〉
入学前から、「吃音」に興味があり「少しでも早く吃音の実態を知りたい!」という思いから履修を決めました。履修を決めてからは以前UROPを履修していらした学科の先輩に流れや概要を聞き、履修登録をしました。
〈履修する中で大変だったこと〉
300例近くの膨大なデータから性別・年齢・センターと住居との距離を抽出することが大変でした。
〈結果〉
今回、2008年〜2024年までに来室した主訴が吃音の男女比・来訪年齢・合併症の有無・センターとの住居との距離を分析したので報告をさせていただきます。
①吃音者の男女比について
主訴が吃音の134名中男性→99名(74%) 女性→35名(26%) 比率は3:1となりました。この比率はこれまでの研究で報告されている3〜5:1と同じ結果になり、男性に多い結果になりました。
②来訪時年齢について
今回分析してみて来訪時年齢に2つの山があることがわかりました。1つ目の山は3〜6歳の就学前の段階、2つ目の山は中高生〜就職後の青年期〜成人期がありました。
③合併症の有無について
合併症がない吃音の方は134名中114名(85%)でした。合併症のある方は20名(25%)でした。主な合併症は知的障害、ダウン症、自閉症、構音障害でした。
④センターと住居との距離について
近隣地域 48名(35%)→北区、東区、江南区、聖龍町、阿賀野市、新発田市
遠方地域 81名 (60%)→燕市、上越市、岡山県倉敷市
機能性構音障害では30%、言語障害では23%の方が遠方地域から来室していたことが分かりました。
この結果から、住居の近くに吃音を相談できる施設がないこと、吃音の訓練方法が確立されていないがために対応できる言語聴覚士の人数が少ないことが分かりました。
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池田さん,ありがとうございました.今回の研究活動が,4年生の卒業研究で生かせるといいですね.新潟市以外の地域から来られている方が60%もいるという結果をみて驚きました.
次回のブログは,池田さんが言語発達支援センターで見学した内容です!お楽しみに😊
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STは,言語聴覚士のことで、コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です。Speech-Language- Hearing Therapistsの略です。
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報より ST kouhouがお送りしました。