『リエゾン』第3回が放送されました.
『リエゾン』は,クリニックや支援学級で働く言語聴覚士が出演する漫画が原作のTVドラマで,1/20(金)より始まりました.
(金曜ナイトドラマ『リエゾン』についてはこちらをご参照ください.)
言語発達支援センターで言語聴覚士として臨床もされている吉岡先生が,ドラマを見た感想を寄せてくださいました.
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いや~、やっと言語聴覚士の堀凛が出てきました。小学校教諭から言語聴覚士になったという設定でした。
今回、ASD(自閉症)児を演じていた子も頑張っていました、花の名前をよく知っていたのは、特定のカテゴリに詳しいことが多いASD児の特徴の一つを示していると思います(他には車の名前をたくさん知っているといったことがあります)。人とのコミュニケーションが苦手なこの子は、ボールを持っている人が話すというルールで会話を成立させていく療育(テレビでの表現)を言語聴覚士から受けていました。おそらくこれは話し手と聞き手の役割交代(ターンテイキングといいます)を見える化しているのだと思います。そのサインは番組の後半では「言葉だけの表現」に変わっていました。
番組にもありましたが、言語聴覚士は定期的に療育(訓練)を行うので、時に主治医よりも子どもの状況や親の気持ちを知っているときがあります。私も親御さんと特別支援学級などの話をしたことがあります。検査の結果を重視しすぎないことも大切であると指摘していました。人とは自分が望む言葉を専門家から聞きたいものです。しかし、医療職である限り、親御さんを追い詰めることなく事実を告げる責任があります。ここにも専門職の難しさがありますね。
私が言語発達支援センターで支援しているASDのお子さんは、当初は、会話どころか、視線を合わせることも、椅子に座ることも困難なお子さんがほとんどですので、会話よりもまず同じ事柄に注目する(共同注意といいます)ことからはじめています。具体的には絵描き歌を使っています(詳細は来場型オープンキャンパスでお話しできるかと思います)。
次回は摂食障害がテーマのようです。堀凛さんの再登場はあるのでしょうか?
私自身、本当は言語(能力)に関心があったのですが、センターに来られるお子さんの特徴から発音訓練と共同注意などの言葉前の訓練が得意になってしまいました(何歳になっても成長できるということですね)。
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吉岡先生,ありがとうございました.
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・今までの放送分の感想
STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.