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2016.06.04

視覚聴覚二重障害とは?吉岡先生に聞いてみよう!

みなさんこんにちはSTkouhouです。

前回のブログで、言語聴覚士は視覚聴覚二重障害を支える専門職であることをお伝えしました。

今日は、この分野のプロフェッショナル、吉岡豊先生にいろいろ教えてもらいましょう。

吉岡豊先生は、小児領域の臨床を網羅する言語聴覚士の先生です。

お若いころ(?)は、失語症の研究もなさっていた、まさにマルチプレーヤー!

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Q1.まずは聴覚障害について教えてください。こどもの聴覚障害とはどのような障害なのですか?

吉岡 : 聞こえにくさは一人一人異なっていますが、最も重い場合は音が全く聞こえません。そうなると、私たちが話している言葉(音声言語)の獲得も難しくなってコミュニケーションに支障が生じることが多くなります。程度が軽い場合であっても発音に問題が生じることが多いです。一般的には補聴器を装用して聞こえのハンディを補うようにします。

Q2.視覚聴覚二重障害、つまり、「耳も聞こえないことに加えて目も見えない」とは、どのような状態なのでしょうか?

吉岡 : 耳も聞こえて目も見える人にはなかなか想像できないと状態だと思います。その昔、目隠し、耳栓着用、手を筒に入れてものに触れさせないようにした感覚遮断実験というものが実施されたことがありますが、2,3日間続けると思考が乱れ幻想的なイメージが浮かんだそうです。私たちは適度な刺激にさらされていなければ平常心を保つことが難しいようです。

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たとえば、写真のような道具を使ってコミュニケーションをとります。

左は点字と指の使用を組み合わせた指点字に関して記述したものです。この指点字は日本で視覚聴覚二重障害を有する少年と母親が生活の中で生みだしたもので、重要なコミュニケーション手段として確立しています。

右はレーズライターというものです。特殊な用紙を先が硬いペンのようなものでなぞっていくと、その部分が盛り上がり、触覚(指先)を通じてその形がわかるようになるものです。視覚障害の方が使用するものです。

手前左は耳かけ形補聴器、手前右は箱形補聴器です。見だちにくさや聞こえの程度、操作性などによって、どのような形の補聴器を使用するかを決めます。

 

Q3.言語聴覚士はこのような方々にどのようなお手伝いをするのですか?

吉岡 : 言語聴覚士ができるお手伝いは、聴覚に関する正確な評価、補聴器適合、コミュニケーション手段の獲得といったことだと思います。私自身がかかわった方から学んだことは根気よく続けていけばコミュニケーション力はかなり向上するということです。また、対象となる方が大人なのか乳幼児なのかで言語聴覚士の役割は大きく変わってくると思います。

 

Q4.新潟医療福祉大学言語聴覚学科では聴覚障害をどのように学ぶのですか?

吉岡 : 言語聴覚学科では聴覚機能(耳)の構造・機能とその病態について学ぶとともに、聴覚機能の検査法、それらの検査結果に基づく補聴器適合についても学びます。また、成人の聴覚障害と小児の聴覚障害では対応すべき課題が違うので、成人と小児とに分けて学んでいます。





吉岡先生、どうもありがとうございました



吉岡豊先生の詳細はこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/teacher/yoshioka.html

吉岡豊先生が登場しているセンセイリングはこちら→http://www.nuhw.ac.jp/sensei/140/



言語聴覚学科は視覚聴覚二重障害の方を支援するための学びが充実しています→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/institution.html

 

 

 

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