少し前にもの忘れ外来に参加している学生がまとめた記事がありましたが,
もの忘れ外来で臨床をされ,ゼミ指導もされている内山先生に認知症やSTの役割についてお尋ねしました.
STの役割シリーズ①はこちらです.
認知症とは何ですか?
脳に病気が起こると、記憶力や注意力などのいくつかの頭の働きが障害されます。これらの障害によって、日々の生活のさまざまな場面で支障をきたした状態を認知症といいます。アルツハイマー病による認知症が有名です。
記憶が障害されることによって、言われたことを覚えていない、財布の置き場所を忘れており「盗まれた」と言うといった症状が認められます。症状は記憶の障害に限らず、認知症の原因となる病気によって異なってきます。
言語聴覚士は認知症のある方にどのように関わるのですか?
認知症の診療では様々な職種がその専門性を生かして関わるチーム医療が行われます。その中で言語聴覚士は、患者様の記憶力や注意力などの検査、ご家族からの生活の様子の聞き取りを通して、脳の働きの障害や生活上の障害を評価します。
これは認知症の原因となる病気の診断と病気の進行具合の評価につながりますので、認知症のチーム医療全体に関わる重要な役割です。また、言語聴覚士はコミュニケーションの面から患者様やご家族を支援しています。
在学生・高校生へメッセージ
「神経心理学」という学問分野があります。脳の中のある場所の障害と脳の働きや心理面の障害の関係を明らかにする学問です。認知症の診療を行う上ではこの神経心理学の考え方が非常に重要であり、当学科では「高次脳機能障害学」という講義の中ですべての学生が学びます。
また、認知症は生活に支障をきたした状態であるため、テストや検査の結果と同等に患者様の生活に着目します。これはリハビリテーションを行う上で重要であり、「優れたQOLサポーター」を目指す当学科の学生が4年間かけて身に着けていきます。
当学科では実際の認知症の臨床(物忘れ外来)に参加するゼミ活動も行っています。当学科で実際の患者様から認知症について学び、脳や心と生活とのつながりについて一緒に考えてみませんか?
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内山先生,ありがとうございました.
コミュニケーションの専門家として出来ること,たくさんありますね.
STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報より ST kouhouがお送りしました.