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2023.10.26

佐藤卓也准教授の研究論文が『言語聴覚研究』、『高次脳機能研究』に掲載されました!~ブログチームの学生インタビュー

こんにちは。言語聴覚学科3年の垣内です。

佐藤卓也准教授の研究論文が『言語聴覚研究』、『高次脳機能研究』に掲載されました!

佐藤先生は、主に高次脳機能障害の自動車運転再開支援リハビリテーションをご研究されています。

佐藤先生のご紹介はこちらの記事をご覧ください。

高次脳機能障害とは、脳卒中などの病気や交通事故などで脳が損傷し、記憶・遂行機能・感情・注意など脳の機能の一部が障害された状態をいいます。例えば、「記憶障害」は、同じことを何度言われても覚えられない、「遂行機能障害」は、順序良く行動することが難しく、衝動的に行動してしまう、「感情障害」では、感情の抑制ができず、人目も憚らずに泣いたり笑ったりする、「注意障害」では、注意散漫で、ミスなどが多くみられるなど、様々な症状がみられます。個人差もあります。目には見えないため、周りから理解されにくく、誤解されることもあります。

佐藤先生の論文が掲載されたのを記念して、佐藤先生にインタビューを行いました。

インタビューを行うこと自体、初めての経験ということもあり、緊張していましたが、佐藤先生が優しく応じてくださり、終始和やかな雰囲気でした。

Q,なぜ自動車運転についての研究をしようと思ったのですか?

 もともと勤めていた病院が自動車運転リハビリをやっていました。関わる中で神経心理学や高次脳機能障害の分野で明確に社会復帰への貢献ができるのが自動車運転リハビリだと思い、そこに魅力を感じたからです。また、純粋に車が好きと言うのも大きな理由です。

Q,研究の概要を教えてください

 『言語聴覚研究』に掲載された論文は、運転支援の体制についてのものです。高次脳機能障害の患者の運転再開には、医療機関だけではなく、免許センターや自動車学校の連携も欠かせません。実は、新潟県には約60の医療機関と25の自動車学校が提携しており、連携数は日本一です。今までどのように連携を行ってきたのかをまとめました。

 『高次脳機能研究』に掲載された論文は、失語症の影響がどのように運転に関わるのか、影響を及ぼすのかについてまとめたものです。運転には、注意機能、処理速度、視空間認知、遂行機能、言語機能が関わります。車を操作するには、道路標識、ナビからの情報など周りを注意しながら自分の車を制御し情報を得るという、マルチタスクを行う必要があります。高次脳機能障害では、注意や視空間認知、遂行機能が低下します。それに加え、言語障害も合併した場合、負荷が高いことが考えられます。すべての失語症患者がそうとは限りませんが、指示通りに運転できなくなることがあります。それらをまとめたものとなります。

Q,今後研究したいことを教えてください。

 今後も高次脳機能障害の患者の運転支援を中心テーマとして研究していきたいと思っています。具体的には、失語症のない高次脳機能障害者と失語症のある高次脳機能障害者での比較や、前方病巣の失語と後方病巣の失語によって違いがあるのかについても追及していきたいと思っています。

佐藤先生インタビューにご協力していただきありがとうございました!

原著論文情報

・佐藤卓也.自動車運転再開支援リハビリテーションの現状と実際―新潟リハビリテーション病院の取り組みと新潟県の現状―.言語聴覚研究20(2),2023.

・佐藤卓也.失語症車の運転上の特徴.高次脳機能研究43(2).

 原著論文は以下から読めます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/43/2/43_137/_article/-char/ja/

垣内さん,インタビューお疲れさまでした.

言語聴覚士の役割として,自動車運転支援もあるということを多くの人に知ってもらえたらと思います.

STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.

新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.

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