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2019.05.08

桒原先生が科研費を獲得されました!!

こんにちは。

STkouhouです。

 

本学科の教員は、講義行うだけでなく、研究も行っています。

どんな領域でもそうですが、研究を行うには種々の費用が必要になります。

世の中には研究に要する費用をサポートする助成金の制度がありますが、

最も有名なものが、科学研究費助成事業(科研費)です。

 

科研費で助成される金額は大きいため、助成に値する研究であるか、毎年厳しい審査が行われます。

今回本学科の桒原先生が、今年度の科研費を獲得されましたので、

研究内容についてお伺いしました!!

桒原先生の紹介はこちら

 

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―科研費獲得、おめでとうございます!!今回採択された研究内容についてお聞かせください。

ありがとうございます!

今回採択された研究テーマは、新生児聴覚スクリーニング検査refer児の追跡調査です。

現在新潟県で生まれる新生児のほぼ全員(2017年度は96.6%)が出生した病院を退院するまでに、新生児聴覚スクリーニング(以下「新スク」といいます)を受けています。

refer児とは、新スクを受けた結果、難聴の疑いがあるので精密検査が必要(refer)であるとされた新生児のことを指します。

このrefer児が、その後実際に専門機関に行って精密検査を受けたのか、また、検査後、支援が必要な場合、どのような支援をどこで受けたのかなど、追跡調査されていません。

そのため、今回の研究で、refer児の誕生から就学前までの追跡調査を行い、そのシステムの見直しも行いたいと思っております。

 

―聴覚障害児の検査・療育に関するご研究なのですね。この追跡調査によって、どのような結果が望まれるのでしょうか?

新スクreferとなると、親御さんは大変なショックを受けます。

新スクの結果、お子さんは難聴かもしれないですよと言われたわけですから、親御さんのショックは大きいです。

それを支援もせずに放置すれば、子育てにも影響が出て、弊害にしかなりません。

スクリーニングを本当に意味のあるものにするためには、referとなったお子さんが要精密検査を受け、必要な支援を受けられるシステムが必要です。

実は新潟県では、2012年に、「新潟県新生児聴覚検査の手引き」の2回目の改訂を行い、その(新潟県HP:http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1348434094134.html)4ページ目に妊婦が妊娠届を提出した後から、出産、新スク受検した結果、referとなった場合のその赤ちゃんへの支援状況をフローチャートにしています。

フローチャートには、行政・医療・教育各現場の専門家の協働体制も示してあります。

フローチャートを見ると、refer児を生後6カ月までは追跡できるようなシステムが提示されています。

ところが実際にはこの提示されているシステムが働いているのかいないのか確認ができていません。

まずは新スクの効果を確認するために新スクrefer児の就学までの足取りを確認しようというのが今回の研究です。

 

―聴覚障害児を支援するための、とても素晴らしい研究ですね!

先生はどのようなきっかけでこの研究テーマに興味を持たれたのですか? 

2000年から新生児聴覚スクリーニングはほぼ全世界で行われるようになりました。

20年経とうとしている今、難聴の早期発見は叶うようになってきたと思います。

早期発見の結果、早期支援も可能となっているはずです。

難聴児のことばの発達は遅れがちと言われますが、難聴の子どもも健聴の子どもと同様にことばの発達をし、社会で役立つように育てていくことをするための新スクです。

せっかく全世界で始まったものですから、私の経験と知識を生かして、新スクをより有効なものにしていきたいと思ったからです。

 

―聴覚スクリーニングは聴覚障害児の言語発達を促すことにつながるのですね。

最後に今後聴覚障害の分野に進みたい高校生に向けて、メッセージをお願いします。

新生児聴覚スクリーニングは、日本では2000年から、新潟県では2003年から始まっていますので、皆さんのなかにも受けられた方がいらっしゃるかもしれませんね。

ご興味のある方は、お母さんに母子手帳を見せてもらってください。

スクリーニングを受けている場合は、スクリーニングの結果を示したシールが母子手帳に貼ってあると思います。

聴覚障害児と実際にお話したことがない方の方が多いかもしれません。

聞こえない事は、目に見えないことなので、どんなお困りごとがあるのか分かりづらいと思います。

ですから、新スクで「あなたの赤ちゃんは難聴かもしれません。」と言われると非常に不安になる親の気持ち、少し理解できるのではないでしょうか?

言語聴覚士はそのような親の気持ちに寄り添いながら支援をしていく役割も持ちます。

ぜひ、聴覚障害に興味を持ち勉強して聴覚障害児の臨床もできるSTになって頂けると嬉しいです。


 

桒原先生、研究内容についてわかりやすくお話しいただき、誠にありがとうございました!

聴覚障害児の言語発達に関心のある方は、ぜひ桒原先生のいる当学科への進学をご検討ください!!

  

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