先日行われた入学式の後の学科別懇親会にて、学科長から新入生へはなむけのお言葉がありました。とても心に響く良いお話でしたので、ダイジェスト版を掲載したいと思います。
平成二十七年度 言語聴覚学科 入学式挨拶
新入生の皆さん、言語聴覚学科へ入学おめでとうございます。 新入生の皆さんは四年後に国家資格である言語聴覚士になって、社会へ羽ばたいていくことを期待されています。プロフェッショナルとして働くためには何が大切なのかを示唆してくれる寓話を紹介したいと思います。
石切り職人の話:大聖堂の建設現場で、石切り職人が働いていました。そこを通りかかった旅人はその仕事に興味を持ったので、一人の石切り職人に「何をしているのですか。」と尋ねました。すると、その石切り職人は、「生活のために働いているのです。」と答えました。
そこで、旅人は、もう一人の石切り職人に、同じことを聞きました。その石切り職人は、元気な声で、「多くの人々の心の安らぎの場となる大聖堂を造っているのです。」と答えました。
仕事の彼方に、何を見つめているのかが、我々の「仕事の価値」を定めるのです。将来言語聴覚士として、ことばの障害、聞こえの障害、あるいは食べることの障害で苦しんでいる人を支援する、という気持ちがあるだろうと思います。それは、二人目の石切り職人に通じるものだと思います。この二人目の石切り職人とは、毎日取り組んでいる仕事の彼方に、その仕事を通じて実現する素晴らしい世の中の姿を思い描きながら、一所懸命腕にがんばりながら、共に働きがいを求めている人のことでしょう。
プロフェッショナルとして活躍するためには、勉学に励んでいろいろな知識を身につけなければなりません。さらに、技能も身につけなければなりません。その過程では、きっと辛いこともあるでしょう。くじけそうになることもあるでしょう。自分が今取り組んでいる勉学の彼方によりよき世界があることを思い出してください。
皆さんが四年後までに、着実に実力を蓄えて、言語聴覚士としての自分らしさを表現できるようになり、その後、プロフェッショナルとして世に羽ばたいていくことを期待して、私の挨拶といたします。
山岸達弥学科長の式辞