広報サポーターの学生より,記事が届きました。
専門用語は,単語の右上に数字を付けて,下部に説明をまとめてあります。ご確認ください。
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今回は実際の臨床現場でご活躍されている先生方の臨床エピソードをご紹介します。
急性期¹~回復期²など様々な病院での臨床経験のある田村先生にインタビューしました。
STS:田村先生は難病支援のご経験があるそうですが、神経難病にまつわるエピソードをお聞かせいただけますか?
田村先生:コミュニケーションがうまくとれず、延命治療を全て拒否していた患者様がいらっしゃいました。
STS:コミュニケーションがうまく取れないと、つらいですよね。難病の方ということは 、 言いたい事は頭に浮かぶのに,上手く伝えられないということでしょうか?
田村先生:そうですね。その患者様が伝えたい事が少しでも表現できるよう、コミュニケーションツールとして文字盤³を使って訓練をしました。
STS:文字盤で最初から自由に会話するのは、難しそうですよね。
田村先生:文字盤の練習としては、まず、あ行だけ書いてある文字盤を自作して使用したり、「はい/いいえ」で答えられる質問をしたりして、患者様がより意思表示しやすいようにしていました。
その後、 日記を用いました。簡単な文から初めて、徐々に様々な表出ができるようになりました。意思の表出ができるようになったことも影響して、最終的に患者様本人が延命治療を受けることを選択しました。
病状が進んで表出は困難になりましたが、旦那様と訓練で使っていた日記を読み返しながら思い出話をしていたのが印象に残っています。
STS:言語聴覚士として患者様とそのご家族の思い出に関われたこと、聞いていて感動しました!
田村先生:感動しますよね。ご家族は延命希望でしたが患者様は希望していないという最初の状態から、コミュニケーションがとれるようになったことで患者様自身も延命治療を望むようになったことは、非常に大きなことだと感じています。この患者様は、 臨床現場で初めて担当した患者様だったこともあり大変印象に残っています。
STS:田村先生、貴重な臨床経験エピソードを聞かせてくださり、ありがとうございました。生きていくには欠かせないコミュニケーションという大事な部分を支えられる言語聴覚士のお仕事、改めて素敵な仕事だと感じました。
急性期¹:病気になって間もない時期や、症状が安定せず集中的な医療介入を要する時期のこと。一般的に入院や発症から14日程度が目安。
回復期²:急性期治療を受け、症状が安定しはじめた時期のこと。一般的に発症・術後から1〜2ヶ月後が目安 。
文字盤³:会話が難しい方が視線や指さしで意思疎通するためのもの
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サポーターの学生さん,田村先生,インタビューお疲れさまでした。
言語聴覚士の仕事は大変人間味がありますよね。
続編もあるとか?
楽しみにしています。
STは,言語聴覚士のことで、コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です。Speech-Language- Hearing Therapistsの略です。
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報より ST kouhouがお送りしました。