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2024.03.21

STの役割シリーズ①(運動障害に対するST)

田村先生の論文が雑誌『難病と在宅ケア』に掲載されました.

タイトルは,「進行性神経筋疾患に伴う嚥下障害をもつ人とのSTとしての関わり方」です.

STの役割を田村先生に詳しく聞いてみました.

昨年の学会での田村先生(左端)

田村先生のご紹介はこちら

進行性神経筋疾患って何ですか?

 病気の中には,筋肉そのものや筋肉を動かす神経が侵されて運動が困難になるものがあります.その中でも,徐々に症状が悪化(進行)していくものを神経難病(進行性神経筋疾患)と私たちは呼んでいます.話すことや食べることも「運動」ですから,神経難病の患者さんは話すことや食べることも困難になります.

発表された論文の内容は?

 今回,『難病と在宅ケア』という雑誌に載った論文は「進行性神経筋疾患に伴う嚥下障害をもつ人とのSTとしての関わり方」というタイトルです.STは言語聴覚士のことです.私が長年STとして働きながら,進行性の難病の患者さんと関わる中で「ここは大切だな」とか「ここを新人のSTの人たちには知っていてほしいな」とか,そうした経験や勉強してきたことをまとめた論文です.

 STは専門職として進行性神経筋疾患に対する知識や治療手技はもちろんのこと,いかに患者さんに寄り添っていくかが最も重要です(これから病気と一緒に人生を歩んでいく患者さん自身に並走して支えるイメージ).

 この内容は.以前横浜で開催された嚥下リハビリテーション学会で発表したものを出版社からお声掛けいただき論文にまとめたものです.

嚥下リハビリテーション学会の会場の写真

在学生・高校生へメッセージ

 最後までお読みいただきありがとうございました.これは言語聴覚士の沢山の働き方の内の一つですが,この記事を読んでくれた人に進行性疾患の患者さんがいて,日々医療職はこうした患者さんを支えていることを知るきっかけになったら嬉しいです.

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田村先生,ありがとうございました.

若手STや当事者の方々,嚥下障害に関心のある皆さん, 論文というと済む世界が違うなんて思わずに, ぜひ手に取ってみてくださいね.きっと新しい世界が広がりますよ.

STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.

新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.

#嚥下