Twitter Facebook
2023.12.25

ドラマ『デフ・ヴォイス』(後編)を見て

後編のドラマ,ご覧になりましたか?

前編についての記事は以下からご覧いただけます.

ドラマ『デフ・ヴォイス』を見て

記事では,日本手話と日本語対応手話の違いについて説明がありました.

今回は後編を受けて,桒原先生と千葉先生がコメントを寄せてくださいました.

教員紹介のページはこちらです.

Photo
桒原先生

デフヴォイス、本物のろうや難聴の役者さんたちを使った素晴らしいテレビ番組でした。最後の場面でお母さんが、「ナ、オ、ト」と呼んだ時、口話教育を受けた聾の方だと思うとなぜか涙が止まらなくなりました。息子の尚人はCODAである自分の苦しみを誰も理解しないと思いながら、手話認定試験を受け、手話通訳士になります。

私の師匠、リチャード・クレッチュマー先生も尚人と同じCODAです。先生がある日、おっしゃいました。「両親は赤ちゃんの時、僕の手話を可愛い可愛いと思っていたらしい。でも話ができる人になって欲しくて、自分の親や兄妹に頼んで僕に話しかけるために毎日来てもらっていた。大人になって僕が高度難聴になったことを聞いて二人とも悲しくて泣いていた」

それを聞いて、人工内耳装用児の言語獲得について勉強している私は、「当然だろう」と思っていました。でも人工内耳装用児も結局手話話者になる子がいます。当然じゃないんだと思います。いろいろな家族がいることを考えて、寄り添う支援が必要だと身に染みて思いました。

千葉先生

【自分が知っているのは目の前の対象者(患者)のほんの一部である】医療機関で患者さんにリハビリ(聴覚でいえば補聴機器の聴性や聴取訓練など)という医療行為を提供することで、なんとなく患者さんのことについて分かっているような気になったりするが、じつはそんなことはなくどんな背景があってどんな生活を送っているのかは分かっているとはいえず、そこが分からないと何に困っていて何を望んでいるのかは分からない。患者さんと接するわずかな時間で分かることは、極わずかであるということを改めて気づかされた。


【家族や地域を含めた支援の必要性】とはいえ、対象者やその家・族地域など日常生活に寄り添った支援をすることは、所属している施設の職員としては限りがあり、一人で何とかしようとしても難しい。ドラマ内で登場してきた「フェローシップ」や新潟にある「にいまーる」などはそういった日常生活の寄り添った支援が可能になってくるのではと思うが、医療従事者であれば「職能団体」としての活動や「失語症友の会」「人工内耳友の会」「言友会」などの自助団体などでの活動も大切である。所属施設を超えて活動するフィールドを広げていくことが必要である。


【スマホの使い方、LINEの使い方を練習する】ドラマ内でLINEの使用方法について練習していたシーンがあったが、単にデバイスを提供するだけではなくあのように操作方法を細かく支援しないと活用できない、というメッセージが込められている感じがした。自分が医療機関で勤務していた時を思い起こすと、そこまでできていなかったのではと感じた。


【最後に】QOLをサポートするというのは言葉では簡単であるが、実際にするとなると時間も手間も取られ簡単にはいかないのが現実ではあるが、一方で、その分やりがいは大きくフィールドの拡大の必要性を改めて感じさせられた良い機会であった。

さまざまな経験や学びを通して,様々な事情のある患者さんに最適な支援を考えられるようになりますね.

皆さんも,言語聴覚支援のプロフェッショナルを目指してみませんか?

STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.

新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報より ST kouhouがお送りしました.

#教員の活動