今回は,3年次の評価実習に行った学生の感想をインタビューしたので,お伝えします.
評価実習とは,学生が実際に病院や施設に派遣され,そこで勤務する実習指導者(言語聴覚士)の下で患者さんや利用者さんを評価させていただくものです.評価はリハビリ計画を立案し改善に導く上でとても重要な要素です.ただ習った検査を滞りなく出来るだけでなく,被検者の真の機能や状態を確実に掴むことが求められます.洞察力,機転,対応力など普段の座学ではなかなか学ぶのが難しい,多くのことを学びます.多くの場合,1ないし数ケースを担当させていただきます.
今回インタビューしたのは,小児発達支援所に実習に行った学生です.
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施設紹介してもらいましょう.
学生:「子ども発達支援所はる」で実習をしました.「はる」は、何らかの障がいをもっていたり、支援が必要であったりする児童でも生活しやすい環境を作りたいという思いで、障がい児の総合的かつ専門的な支援を行っています。
「はる」は,臨床准教授の櫻井先生がいらっしゃる施設です.櫻井先生については,こちらの記事をご確認ください.
職員の構成は?
学生:STは5人いらっしゃいました.それから,PT,OT,教諭,児童指導員,保育士,事務の方など,さまざまな立場の方がおられました.
毎日の実習はどんなことをしましたか?
学生:9時〜午前中は,集団療育や個別訓練が入りました.午前中に来るのは,幼児さんで2〜4歳が主でした.集団はソーシャル・スキルを高めるため,色々な課題をゲームに織り込んでみんなで取り組みます.言葉のでるお子さんは,課題をこなすとご褒美の遊びが待っているというサーキットをしていました.言葉がまだのお子さんは,感覚遊びと言語活動を組み入れていました.お子さんを預かるという緊張で疲労感はありましたが,楽しいという気持ちがたくさん湧きました.
個別訓練で担当したお子さんはどんな子でしたか?
学生: 個別訓練で担当したのは,小学1年生の構音障害と学習に遅れのあるお子さんでした. 週2回以上来られており,すぐに慕ってくれて,嬉しかったです.小学1年生が「ほうディ」(放課後等ディサービス)で訓練に通っていたので,疲労で評価が難しいこともありました.
放課後等ディサービスって「ほうディ」って言うんですね.
実際のお子さんを評価する難しさを体験できたのですね.他にはどんなことをしましたか?
学生:実習最後の週に,担当させていただいたお子さんと他の一年生と山登りに行きました.集まった子ども達と敷地内でドッチボールや散歩などなどもする機会がありました. 集団の中で体格や能力に差があったので,先生方がその構成を考えてルールを決めていて「さすがだな」と思いました.
大学や本だけでは学べない貴重な経験をされましたね.ありがとうございました.
STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.