こんにちは.STkouhouです.
本学科の学生が目指す言語聴覚士の業務は多岐にわたりますが,その一つに失語症の評価やリハビリテーションがあります.
失語症とは,ことばを聞く,話す,読む,書く,の4つの能力がすべて低下する言語障害です.
この4つの能力の低下の程度は患者さんによって異なるため,検査を実施して4つの言語能力ぞれぞれの状態を把握する必要があります.
失語症の検査を学習するのは,2年生の科目「成人言語障害学演習」です.
本日は失語症検査の一つ,標準失語症検査 (Standard Language Test of Aphasia: SLTA) の練習をしていました.
SLTAは,上記4つの言語能力それぞれを詳しく評価できるのが特徴で,言語聴覚士が最も多く使用している失語症検査の一つです。
そのためSLTAの検査手技は,来年に控えた学外臨床実習までにマスターすることが求められます。
SLTAの検査用具は一セット5万円近い高価なものですが,本学科では学生2人で1台が使用できるよう台数を揃えています。
SLTAは多数の検査項目から構成されていますが,本日学生が練習したのは「口頭命令に従う」という項目です。これは言語聴覚士が行う口頭の指示に従って,患者さんに複数の日常物品を操作していただくものです。
検査では,患者さんが複数の物品をどの順番で操作したかを細かく記載します。また,反応開始や終了まで何秒かかったかもストップウォッチで計測して記載します。さらに患者さんの反応内容から点数をつけ,その結果ヒントを提示することがあります。慣れない学生にとって,記録・計測・評価・ヒント出しを同時並行で行うのはなかなか大変な作業です。
この授業を担当する大石如香教授のコメントです。
この演習の授業では,実際の患者さんの症状を想定して,各自が患者役,言語聴覚士役になりきって演習をします。患者さんにどのような症状がみられるか,授業で学んだ失語症のタイプと症状を考えながら,臨床を踏まえた実践的な勉強ができる点がこの授業の魅力です。
本学科では2年生になると専門科目の割合がぐっと増え,同時にこのような演習科目も多くなります。
学ぶことの専門性が高まるとその分勉強も大変になってきますが,「言語聴覚士になるぞ!」という気持ちも高まってきます。ぜひモチベーションを高めて,忙しい2年生の日々を乗り切ってください!
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