ことばの障害にはいろいろな種類があります。
そのなかで、脳の中でことばをつかさどる領域が損傷されたときに生じる障害・・・
それが『失語』です。
ことばをつかさどる領域に問題がおこると「話す」「聴く」「読む」「書く」といった、ことばという“記号”をあやつる働きのさまざまな面が障害されます。
たとえば「話す」働きにみられる異常としては‥‥
→鉛筆を見てそれをことばにしようとしたときに
●「エンピツ」という単語が思い浮かばない (喚語困難)
●エンピツと言おうとしたのに「エンパチ」と音が入れ替わってしまう (音韻性錯語)
●エンピツと言おうとしたのに「ケシゴム」と単語が入れ替わってしまう (語性錯語)
などです。
たいていの場合、失語の患者さんは「話す」「聴く」「読む」「書く」はたらきのそれぞれに障害をもっています。
それらの組み合わせのパターンによって、失語はいくつかのタイプに分けられます。
代表的なタイプとしてブローカ失語、ウェルニッケ失語、伝導失語などがあげられます。