こんにちは!海馬です
今日は節分の日ですね。
先日、新潟ふるさと村で、こんなキャラクターを発見しました。
「つぶあんくん」という、笹団子のキャラだそうです。
笹団子は、新潟の誇る名産ですね。
つぶあんくんが、鬼の仮面をかぶって、豆まきしてるようです。
かわいい。
よ~く手元をみると、豆がっ!
そうなんです!
新潟では、大豆ではなく「落花生」を撒くんですよね。
節分では「鬼は外!福は内!」って掛け声しますよね?
童話の桃太郎も、鬼退治に行きますね。
ところで、芥川龍之介の「桃太郎」を読んだことがありますか?
青空文庫で無料で公開されていますので、ぜひ。
そのなかの、一節をご紹介します。
「お前たちも悪戯いたずらをすると、人間の島へやってしまうよ。人間の島へやられた鬼はあの昔の酒顛童子のように、きっと殺されてしまうのだからね。え、人間というものかい? 人間というものは角つのの生はえない、生白なまじろい顔や手足をした、何ともいわれず気味の悪いものだよ。おまけにまた人間の女と来た日には、その生白い顔や手足へ一面に鉛なまりの粉こをなすっているのだよ。それだけならばまだ好いいのだがね。男でも女でも同じように、嘘※(「言+墟のつくり」)うそはいうし、欲は深いし、焼餅やきもちは焼くし、己惚うぬぼれは強いし、仲間同志殺し合うし、火はつけるし、泥棒どろぼうはするし、手のつけようのない毛だものなのだよ……」
鬼が島で平和に暮らしていた鬼が、人間を悪い生き物として語っているわけです。
勧善懲悪は、古今東西、普遍的な価値として語り継がれていて、私たちはなにも違和感を感じず「正義」と「悪」を語ります。
それ自体がいけないことだとは申しませんが、自分たちだけが「絶対に正しい」と考えるのは、ややもすると危険な思想となり得ます。そのことを、芥川龍之介は異端な桃太郎のおとぎ話を通じて語っているのではないでしょうか。
大豆だけではなく落花生を撒く文化もあるし、鬼は外ではなく鬼は内の文化もある。
異文化にも寛容でありたいものですね。