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2015.05.10

2025年問題

こんにちは、海馬です


今日は母の日ですね。皆さん、何かお母様にお祝いをされますか?

母の日なので、優しい話題の方が良いのかもしれませんが、こういう日だからこそ、あえて、皆さんのお母様を将来どのように支えていくべきかについて、少し真面目な話をしてみたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。

唐突ですが、皆さん「2025年問題」はご存じでしょうか?

お恥ずかしながら、ほんの数か月前まで海馬は知りませんでした。

学科のとある素敵な先生に教えていただいたのを契機に、職能団体の会合でも話題にあがる機会が増え、今はとても重要な問題の一つとして十二分に認識しています。


さて、2025年問題を一言で説明すると、我が国における「超高齢社会」の問題であると言えます。分かりやすいまとめが厚生労働省のサイトに資料として公開されていますので、こちらをご覧ください。PDF資料で図表とともに説明があります。


超高齢社会が更に進むと、①高齢により病気になる人が増える、②社会保障費(健康保険、介護保険)が増大する、③労働人口が減るので社会保障費を負担することが難しくなる、簡単に言うと以上の問題が生じます。

昔は胴上げのように10人で1人の高齢者を支えていました。今は騎馬戦のように3人で1人の高齢者を支えています。それでもかなり大変です。今後は肩車のように1人で1人の高齢者を支えることになります。事実上、難しい話となります。


それでは、どのようにして解決するか。社会保障費の収入を増やし、支出を減らすしかありません。収入を増やすためには、消費税の税率を大幅にアップする、外国から移民を受け入れて労働人口(税収)を増やすなどが考えられます。支出を減らすには、医療・介護費の単価を減らす、支給対象を制限するなどが考えられます。


後者の医療・介護費用を削減するための一つの方策として、「地域包括ケアシステム」が検討されています。

厚労省のサイトでは、

「団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます」

と紹介されています。

今までのように、病院だけ、介護施設だけ、というように各病院施設が単独で高齢者をケアしていたシステムを見直し、地域自治体・地域住民が核となりで包括的にケアするシステムが地域包括ケアシステムと呼ばれます。つまり、今まで以上に専門職種間での「連携」が重要になりますし、本当に必要とされるサービスしか生き残っていけない時代に突入すると思われます。

このことを踏まえ、ちょうど一カ月前、東京の田町でリハビリテーション専門職協議会が主催する合同士会長会議が開催されました。47都道府県の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の各地域士会の会長が各県より3人ずつ出席し、地域包括ケアシステムについて会議(講演、研修)が開かれました。海馬も日本言語聴覚士協会の理事として参加してきました。

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会議に出席されていた各地域士会の会長のうち、当学科が実習でお世話になっている先生方も何人かお目にかかりました。ある病院のリハ科長をされているO先生(OT)はI県士会のモデルケースをご発表されていました。

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会議のなかで、厚生労働省の老健局老人保健課のT課長補佐も講演してくださったのですが、そのときに特に若いリハビリ職のセラピストに伝えて欲しい5箇条というのをお聞きしました。とても素晴らしいお話でしたので、これはまた後日、改めてご紹介したいと思います。


ともあれ、私たちリハビリテーションに関わる職種にとって、高い専門性を身に付けることはもとより、社会のなかで専門職としていかに立ち位置を定めるか、専門外の社会一般の時事についても興味関心をもち積極的に社会に関わっていくかは大切なことなのだと痛感して東京から帰ってきました。


優しい気持ちや知識・技術だけでは不十分ということですね。

母の日に、自分の母親に対して、何かプレゼントしたりお祝いすることだけではなく、将来どのように母(父、その他家族も)の生活を安定したものとして支えることができるのか、真剣に考えないといけないと思いました。


最後まで、難しい話にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

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