2025.12.10
こんにちは。
言語聴覚学科の池田一葉です。
2年の後期に履修しているUROP(研究プロジェクト演習Ⅲ)について報告いたします。
UROPとは学部生の「知りたい!」「学びたい!」気持ちに応える研究サポートプログラム(選択科目)です。1年生の後期〜3年生の後期まで履修することができます。
私は、1年生の後期にもUROPを履修し、吃音の研究をしました。そのときのブログもぜひ読んでください!
前回は情報を分析することが主でしたが、今回は演習授業が始まり機器が使えるようになったので少しでもスムーズに聴こえの検査を実施できる様になりたいと思い履修を決めました。
<履修の流れ(予定)>
| 2025年9月中 | 担当の先生に相談・計画書提出 |
| 10・11・12月 | データ収集、結果のまとめ、考察、 発表スライド作成開始 |
| 2026年1月 | スライド完成 発表(オンライン)、報告書提出 |
<研究内容について>
皆さんは身近な方でテレビのボリュームを少し上げただけで「うるさい」と言われたことはありませんか?それは、音の強さ(物理的)の変化により音の大きさ(感覚的)の変化が大きくなってしまう現象で、補充現象と言います。
補充現象は内耳障害を示唆するものとされています。
今回はSISI検査(日本では、シーシー検査と呼ばれています)を用いて、補充現象について研究をしました。
SISI検査では高い周波数(高い音)であればあるほど、小さな音の変化を検出しやすくなると言われています。今回のUROPでは、SISI検査を用いて、聴力が正常な人でも低い周波数と高い周波数で小さな音の変化の検出率が変わるのかを調べています。

👆オージオメーターです!この機械で純音聴力検査、SISI検査を測定することができます!

👆操作するボタンが沢山あります!低い音から高い音(125Hz〜8000Hz)小さい音から大きな音(-10dB~110dB) まで出すことができます!
<SISI検査の手順>
まず、聴力が正常な方は5dBの音の変化がわかりますが、1dBの音の変化はわかりません。
今回はSISI検査を用いて、250Hzと4000Hzに設定したときに反応があるのか測定します。
※今回は良聴耳(原則右耳)のみを測定しました。
- 純音聴力検査を(健康診断などで使用されています!)1000Hz→4000Hz→1000Hz→250Hzの順番で検査前に行う。
- 純音聴力検査で得られた250Hz、4000Hzの閾値の音に+20をした音を被検者のヘッドフォンに流す。
- 一定間隔で音が変化するので被検者に対して「流れている音が少しでも変化したと感じたら手元のボタンを素早く押してください。」と教示を入れ、練習の時間を取り検査のスタートボタンを押す。(約2分間)
- 検査終了
純音聴力検査とSISI検査で約10分程度の検査です。
今回のUROPでは学部生を対象に30件程データを取らせていただきました。
次回は、実際にUROPを行った感想を述べたいと思います。
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次回のオープンキャンパスは3/29(日)です。最新情報は、学科instagramから!
STは,言語聴覚士のことで、コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です。Speech-Language- Hearing Therapistsの略です。
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報より ST kouhouがお送りしました。