大石先生が、慈恵医科大医学部主催の 高次脳機能障害 合同研修会で講演をしました。
大石先生に高次脳機能障害のことを聞いてみました。
Q:高次脳障害とは何ですか?
記憶・思考・判断力など高度な脳の働きに支障をきたすのが高次脳機能障害です。最大の原因は脳卒中と呼ばれる脳梗塞や脳出血です。次に多いのが交通事故やスポーツでのけが、転倒などが原因で生じる外傷性の脳損傷です。
高次脳機能障害になった人のリハビリテーションや支援をすることは言語聴覚士の大きな役割のひとつです。また、患者さんをサポートするためには、いろいろな専門職が協力するチーム医療が大切で、地域での支援も必要です。
Q:講演ではどんな話をされましたか?
今回の話のテーマは『地誌的障害のリハビリテーション ~なぜこの人は道に迷うのか~ 』です。
脳出血などの脳卒中後や認知症の患者さんが、これまでよく知っている場所で道に迷ってしまうことがあります。2022年度の警視庁のまとめでは、認知症やその疑いがある人で道に迷ってしまった行方不明者は年間1万8,000人を超え、過去最多になりました。この10年間で約2倍に増加しています。
こうした患者さんが道に迷う原因と、その原因に合ったリハビリテーションと支援についてお話をしました。
Q:在学生・高校生へメッセージをお願いします!
みなさんは普段、よく通っている道を歩いたり、新しい道を覚える時に、どんな脳の機能を使っていますか?私たちは無意識に、何も考えずにそういうことができます。不思議ですよね。実はそのときに私たちの脳がどんなに凄い働きをしているか、考えたことありますか?そうやって新しいことを学んだり、覚えたりするのは、とても不思議で面白いですよね。
でも、もし脳に何か問題が生じたらどうなるでしょうか?通常なら当たり前にできることが、病気やケガで急にできなくなってしまうことがあります。そんな時、患者さんはどんな気持ちになるか想像できますか?
言語聴覚士は、脳科学の専門家であるとともに、人間の温かさに触れ、直接患者さんと向き合う経験ができる、とてもやりがいのある仕事です。誰かの力になれる喜びや感動を味わうことができるでしょう。それが人生の宝物になります。
一緒に、人の心と脳の不思議な関係をのぞいてみませんか?
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大石先生ありがとうございました!
誰しも道に迷った事が一度はあると思いますが、脳に損傷がある患者さんの脳ではどのようなことが起こっているのかも気になりますね。
STは、言語聴覚士のことで、コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です。Speech-Language- Hearing Therapistsの略です。
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました。