大学でさまざまな研究や授業をされている先生方が,普段どんな本を読んでいるのかって気になりませんか?
今回は,佐藤卓也先生が最近読んだ本についてお話しくださいましたので,ご紹介します.
佐藤先生のご紹介は,こちらからご覧いただけます。
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最近読んだ本は?
『長い長い殺人』宮部みゆき作(光文社 1992年)
読もうと思ったきっかけは?
推理小説が好きで,宮部みゆきの作品はいくつも読んでいます.その中の1冊です.
感想
この小説は何人もの登場人物の「財布」がその人の代わりに語っていくという異色の切り口のストーリーです.財布の持ち主は,刑事や被害者,証人など10人が出てきます.宮部みゆきお得意の少年や青年も出てきて,人間の狡さや誠実さ,若い人間が世間の大人に抱く憤りや,やるせなさ,社会風刺など,思わず「そうだよな」とつぶやいてしまうような描写,メッセージにあふれています.宮部みゆきの推理小説の面白さは,何人もの登場人物の語りや行動がつながっていくことで犯行の動機やいきさつ,関係者のその後の人生の変化などが丁寧に語られるところにあります.推理小説は人間のどうしようもない愚かさや弱さと冷酷さ非情さがドラマティックに展開するストーリーですが,その中に現れる悲哀や罪深さと業(ごう)が人間理解にとても迫っていけるものと思っています.
高校生の皆さん,在学生の皆さんへメッセージ
医療は人を相手にする仕事です.人間とは何か.何を考え,どう行動するのか.相手を理解することがその第一歩と思います.そのためにも本はたくさん読むといいですよ!!
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佐藤先生,ありがとうございました!
STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.