伊藤さゆり先生より特別展のレポートです.
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こんにちは.教員の伊藤です.
大阪にある国立民族学博物館では11/23まで,「Homō loquēns『しゃべるヒト』-ことばの不思議を科学する」という名前の特別展が開催されていました.
この特別展で,自分の研究を紹介する機会をいただきました.先日大阪まで展示会を見に行ってきましたので,その様子を紹介します.
こちらの特別展は,言語学・文化人類学・工学・教育・脳科学・認知心理学など多様な領域の研究者が集まって,様々な切り口で「コトバ」の不思議を紹介する展示会です.
言語聴覚に関連する展示もたくさんありました.特に横隔膜や声帯を模した機械を操作することで,発声の仕組みを体感できる装置が面白かったですね.失語症になった方の詳細なインタビューや生活の様子を記録した動画が紹介されていたのも興味深かったです.失語症の訓練アプリの展示もありましたよ!
どの展示にも手話通訳の動画がついているのが画期的でした.
展示会の最後に,自分の発表をみつけました.私は手話を使う人に起きる言語障害,「手話の失語症」に関する展示を行いました.
「手話の失語症」とは,手話を理解したり表現したりするのが困難になる障害です.現在私は,「手話の失語症」を評価するための検査を作成中ですが,検査をより良いものにするためには,たくさんの方の協力が必要です.今回の展示が,少しでも多くのろう者や手話の研究者に自分の研究を知ってもらう機会になることを期待しています.
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STは,言語聴覚士のことで,コミュニケーションとのみ込み(嚥下)を支える医療系国家資格のいる職業です.Speech-Language- Hearing Therapistsの略です.
新潟市北区島見町にある新潟医療福祉大学の言語聴覚学科広報ST Kouhouよりお届けしました.