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2021.06.22

大石如香准教授らの研究論文が国際科学学術誌『Cortex』に掲載されました!

こんにちは。STkouhouです。

本学科の大石如香准教授らの研究論文が国際科学学術誌『Cortex』に掲載されました!

(本研究成果の発表:International Colour Vision Society in Tohoku University, Sendai, Japan)

大石先生の紹介はこちら

大石先生は、脳卒中や交通事故などで脳に損傷を受けた後遺症として起こる、ことばや記憶の障害、質感の認知障害について研究しています。

今回は、脳卒中後の患者さんにみられた『色と物の形の知識の障害』に関する研究です。

研究概要と大石先生からのコメントは以下の通りです。


今回の研究では、脳卒中後に左後頭葉損傷を呈した3名の患者さんを対象に、色認知障害の発現メカニズムや病巣との関連について神経心理学的検討を行いました。

その結果、色の呼称障害は物の呼称とは独立して生じうることが明らかになりました。

また、色認知には左後頭葉内側領域の中でも左舌状回~紡錘状回を要とする神経ネットワークが関与し、その中でもより高次な色と物の連合には、より前方および内側が関連している可能性が示唆されました。

今回の症例研究のように、『神経心理学』は一人ひとりの患者さんにみられる症状をじっくり詳細に調べることから発展してきました。

目の前の患者さんに起こっている症状が、一体どのような原因で起こっているのか、どのレベルの障害なのかを明らかにすることは、リハビリテーションにとって欠かせません。

脳の損傷では、ことばだけでなく、色や形などの物の見え方や記憶など、さまざまな症状が生じることがあります。

脳科学ではまだまだわかっていないことが多く、神経心理学は大変奥の深い学問です。

本学科では、このような脳の損傷後に起こる脳のはたらきの障害について、『高次脳機能障害』という授業でワークを交えながら勉強します。

一緒に脳の不思議について学んでみませんか?

原著論文情報

Oishi Y, Nagasawa H, Hirayama K, Suzuki K, Neural bases of color-specific semantic loss: Two cases of object-color knowledge impairment. Cortex 141: 211-223, 2021, doi: https://doi.org/10.1016/j.cortex.2021.04.014


大石先生,コメントをおよせいただきありがとうございました!

言語聴覚士が対象とする「高次脳機能障害」のうち,最も多いのは「言語」の障害ですが,今回の大石先生の研究のように,「色」や「形」といった非言語的な認知の障害も対象とします。

脳のはたらきやその障害に関心がある方はぜひ,本学科への進学をご検討ください!!

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