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2021.07.14

青年海外協力隊と言語聴覚士

こんにちは。STkouhouです。

本学では国際的な視野を身につけるための多彩な国際交流活動を実施しています。

例1:アメリカの言語聴覚士育成や臨床の現場を訪ねるツアー

アメリカの言語聴覚士を目指す大学院生の授業や学内実習を見学。
大学病院で言語聴覚士によるリハビリテーションを見学。

例2:フィリピンの言語聴覚士を目指す大学院生との交流

4年生の授業「連携総合ゼミ」で,フィリピンの学生とチームを組んで事例発表を行いました。
帰国前に交流会を行いました。

しかしコロナの流行により現在は,海外研修や海外学生との直接交流は難しい状態です。

そこで本学では昨年度から,国際的に活躍する人物とオンラインで交流する企画,「グローバルキャリア支援Meeting」を始めています。

この企画では,海外留学経験や海外勤務経験のある医療関係者を招いて経験談を聴講し,質疑応答を行います。

先日の会では,国立病院機構災害医療センターの言語聴覚士,平井香織先生をお招きしました。先生は数年前に,青年海外協力隊に言語聴覚士として参加しました。先生からは,マラウイで聴覚障害者の支援を行った際のお話をお聞きしました。

マラウイの聾学校の授業風景
マラウイで使用していた聴力検査機器や絵カード

先生は聴覚障害児の個別支援を行う予定でマラウイに来られたのですが,派遣先である聾学校の設備や機器,人材はいずれも不足しており,カルテもないので個々人の情報収集も難しく,個別支援の実施は困難でした。

そこで先生は補聴器の普及支援に方向転換しました。マラウイでは支援団体の協力により補聴器の支給自体は進んでいるものの,補聴器の使い方や調整が十分行われておらず,多くの人が補聴器を破損したり失くしたりしてしまっている状態でした。

先生は聾学校の授業の手伝いを通して学校や地域に溶け込みながら,補聴器のマラウイ語の語音聴力検査を作成して検査を実施し,少しずつ個々人の聴力データを収集していきました。

マラウイでは識字率も十分ではなかったので,検査も通常のマニュアルに加え,教師や保護者向けに図を多く用いた検査マニュアルを作成する工夫も行いました。

その結果,派遣先の学校で補聴器を使用している人は2割だったのが,3年後には9割に達たそうです!

マラウイでの個別指導風景
会はオンラインで開催。言語聴覚学科の学生が質問を行いました。

本学の大学院には,青年海外協力隊として現地で活動しながら教員の指導を受け、帰国後に現地での体験、実践を通じて得られた気づき、課題等を課題研究としてまとめることで修士の学位が取得できるプログラムがあります。

大学院プログラムの紹介はこちら

先生もマラウイで勤務しながら,本学の大学院に在籍していました。吉岡豊准教授の指導の下,上記のマラウイでの取り組みを修士論文にまとめ,修士号を取得しました。

吉岡先生の紹介はこちら

海外で活躍する言語聴覚士は他の医療職に比べると少ないため,今回の講演は貴重な機会となりました。聴講していた学生たちにとって,日本と比べ様々なことが不足しているマラウイの現状は,非常にインパクトがあったようです。また,補聴器の普及には,補聴器を日常的に使用できるよう継続的にサポートする必要があること,サポートには言語聴覚士の存在が重要であることを実感できたのではないかと思います。

なにより,海外で困難な状況に置かれても,自分でできることがないか探して実行に移していく,平井先生の行動力に皆感銘を受けました。

本学ではこのように,在学生の国際的視野を広げる企画を積極的に行っています。

本学への進学をぜひ,ご検討ください!

[su_button url="https://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/" target="blank" style="flat" background="#2db4ef" color="#f7f8f5" size="8"]言語聴覚学科の紹介はこちら[/su_button]
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