こんにちは、海馬です
夏休みに 本学図書館で借りてきた本を 今日は紹介します。
それは、
「科学者が人間であること」(中村桂子著)、2013年発行、岩波新書
です。
今から二十数年ほど前、 海馬が大学生のときに、中村桂子先生のヒトゲノム計画についての授業を大教室で受講したことに、端を発します。
当時は、まだ ヒトゲノム計画 が始まったばかりでした。 生物に関することは何でも遺伝子(DNA)ですべて解明されると期待され、分子生物学のようなミクロに焦点を当てた学問が隆盛を誇ろうとしていた時代でした。
でも、その当時から、中村桂子先生は、もっとマクロの、生物の「ヒト」の「人間」としての側面に光を当て、全人的な視野で人間を科学することの重要性を、授業のなかでチラホラと説いていらしたように記憶しています。
少々難しい話しになってごめんなさい。
私たち、言語聴覚士も、実は、このような視点ってとても大事だと思います。
身体の解剖学的な細かい構造・機能・病態は、もちろん大事です。
でも、障害をもつ方は、ヒトであると同時に「人間」なのですよね。
病気しか見ない言語聴覚士ではなく、人間を見る言語聴覚士でありたいものです。
紹介した本は、一般向けの新書とはいえ、正直、少々歯ごたえがあると思います。
ぜひ、言語聴覚学科に入学して、いろいろ学び進んだときに、もしもこの本を覚えていたら、夏休みや冬休みにでも借りて、じっくり読んでもらえればと思います。
今日はどちらかというと、在校生向けへのメッセージでした。