今年度の卒業研究発表会の様子をお伝えするシリーズ、第3回目は吉岡ゼミの卒業研究発表を紹介します。
吉岡ゼミの卒業研究テーマは下記の通りです。
- 過疎地域に住む子供たちへの言語支援に関する研究─言葉の相談会を通しての検討
- 自閉症児2 例の言語訓練が前言語期から言語期に移行する過程に関する研究
- 自閉症スペクトラム障害を伴う双胎間輸血症候群が疑われた一卵性双生児に関する研究
- 知的障害児と自閉症児における語彙特徴について
- 機能性構音障害児51例における年齢と構音の関係について
ゼミ担当教員の吉岡豊教授の専門は小児の言語発達とその障害です。学生の発表も言語発達に関連するテーマとなっています。
発表の中の一演題、「機能性構音障害児51例における年齢と構音の関係について」の発表について紹介します。
機能性構音障害とは、同年齢の人が正しく発音できる音を誤って発音する障害で,小児の言語発達障害の3.0%を占めるとされています.しかし何歳ころにどのような発音ができていないときに機能性構音障害を疑うべきか,これまで明確な基準がありませんでした.
今回の研究では,51の症例の年齢や検査結果を検討したところ,4歳代ではカ行やガ行,5歳代ではさらにサ行の発音ができないときは,言語訓練の適用となることが示唆されました.
機能性構音障害は,小児領域で臨床を行う言語聴覚士が多く関わる言語障害です.今回の研究結果は機能性構音障害の訓練適応の基準を示唆するものであり,非常に実践的な内容でした.
次回は大石ゼミの発表を紹介します!
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