こんにちは
今日は言語聴覚学科で「心理測定法」の科目などをご担当されています。
石本豪先生よりコメントをいただきました
先生紹介はこちらのページをご覧ください
先日、ある作家の個展に行ってきました。
作品は「現代アート」と呼ばれるもの。
カフェの庭に作品は展示されており、周囲の風景ともよく馴染んでいました。
作家の方と話をする機会があり、その話がとても面白く、共感しました。
作家の方曰く「この作品の意味みたいなものって、隣に立っている木との
関係性で意味が現れるというか...」
仕事柄、僕は障害を持ったお子さんをお持ちのお母さん方と
お話をさせてもらうことがあります。
そこでは、そうしたお子さんを産み、育てるという人生の意味が話題になることがあり、
そんなとき僕は“その方にとっての人生の意味”を理解したいと思います。
そして、あたりまえのことですが、他でもない“その方にとっての人生の意味”は、
どんな教科書にも書いていません。
大がかりな機械を持っても見えるものではないはずです。
ではどうしたら?
できることは対話です。
なんてことのない対話です。
ことばや表情のやり取りを地道に継続するほかありません。
でも、もし対話が相手を理解するという機能だけではなく、
新たな意味を作り上げる可能性をもっているとしたらどうでしょう。
ある作品の意味が周囲の風景との関係によって立ち現われるように、
人生の意味が他者との対話を通した関係によって再構成されるものだとしたら。
今日も畏れを抱きながら、好奇心を持って対話を継続しようと思います。
その方にとって、より納得のいく意味を「共に生み出す」ことができたら、
それはとてもうれしいです。