以前の記事で,失語症者向け意思疎通支援者講習会について,その概要を紹介しました.
今回は本学科の学生が講習会へ参加したときのお話しです.
失語症者のコミュニケーションを支援する人材を養成するこの講習会は,一般市民向けに開講されているものです.一般市民には,言語聴覚士を目指す本学科の学生も含まれますので,希望すればもちろん受講できます.
今年度の講習会には本学科の2年生が参加しました.講習会の全課程を振り返り,感想を教えてもらいました.
こんにちは.言語聴覚学科2年の萩原彩絵です.
先生から講習会のお誘いをいただき、まず、将来言語聴覚士として働く際に役に立つことが学べる良い機会だと思いました。そして、言語聴覚士として臨床で働いている時にこの講習会を受ける場合、私は日々の臨床でのことで目一杯なのではないかと考えました。そして,今受講すれば、大学の講義で習ったことと関連付けて学ぶことや、今後の臨床実習においても、どのような点に注意してどのように接すればよいか、講習会で得た知識や技術を臨床に出る前から生かすことができるのではないかと考えました。3年生、4年生になればゼミや国試勉強に追われるであろうし、2年生の今こそ受けるべきではないかと思い、講習会に参加させていただきました。
講習会では自分が失語症者役をやったり、支援者役をやったりするロールプレイがあり、失語症の方が日々の生活でどのような時に困っているのか、それを私たちはどのように対応していけばよいかを学ぶことができました。病院での対応を基本として学ぶ大学では学べないであろうことを学べたのかなと思っています。
将来、病院やその他施設で働く際も、私たちは患者さんの社会での日常生活を考えていく必要があると思います。退院・訓練に向けて目標を立てるときであれば、どんなことで困難が生じやすいか、どの程度の支援が必要になるかイメージしやすいですし、患者さんや家族の方へどんな時に困りやすく、どう対応すればよいか、また、どんな支援制度があるのか説明することもできます。
今回、講習会を受けて、実際に臨床で働いている言語聴覚士の方や作業療法士の方、失語症者の方や支援に携わっていた方など他の参加者のお話を伺うこともでき、実際の体験や生の声を知ることができました。講習会は、自分にとってとても身になる有意義な時間だったと思います。参加してよかったです。ありがとうございました。
萩原さん,感想をおよせいただきありがとうございました!
感想の中にもありましたが,本学科の学生が学ぶ失語症者の支援は,どうしても病院や介護老人保健施設の中の支援が多くなりがちです.現状のカリキュラムでは,退院後の患者さんの支援を学ぶ時間は十分ではありません.しかし患者さんの人生の中で,病院や施設で過ごす時間は一時的なものに過ぎず,そのあとの日常生活の方がずっと長く続くものです.
患者さんの日常生活を支援する実践的なスキルを学べるこの講習会に,今後も多くの学科生が参加し,患者さんの退院後の生活も想像できる言語聴覚士になってほしいと願っています.
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