こんにちは。STkouhouです。
本学科の教員紹介シリーズ,今回は田村俊暁助教を紹介します!
田村先生は,発声発語器官の運動機能と病態の研究がご専門の言語聴覚士です。
インタビュー形式で紹介していきます!!
ー先生は新潟県出身です。生まれも育ちもずっと新潟県なのですか?
はい,新潟県長岡市の生まれで,新潟県内でずっと暮らしています。
長岡はお酒造りで有名な街です。実家のそばにも酒蔵がたくさん建っています。味噌やしょうゆの蔵も多く,私の親戚も味噌や醤油を製造しています。
ー長岡といえば,「吉乃川」や「朝日山」など有名なお酒がたくさんありますね!
先生は運動をされていて,陸上では新潟県のランキングに載ったこともあるとお聞きしました。
はい,小さいころから体が弱くて入院することもありました。体を強くしたいと思い,中学高校は陸上部に所属していました。
ー陸上に打ち込む高校生だった先生が,言語聴覚士に関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
小さいころから病院のお世話になることが多かったので,将来は病院で働きたいと思っていました。運動をしていたので,高校生の頃はスポーツトレーナーや理学療法士になることを検討していました。
ちょうどそのころ,祖父が脳梗塞を患い入院したのですが,祖父の同室の患者さんがベッドサイドで言語聴覚士のリハビリを受けていて,はじめて言語聴覚士のことを知りました。
進路では最後まで理学療法士か言語聴覚士か迷っていたのですが,言語聴覚士の方をたくさん調べていましたので,心の底では言語聴覚士の方に惹かれていたんじゃないかと思います。
ー本心は行動に現れていたのかもしれませんね。専門学校時代はご実家を離れて村上市で過ごされたそうですね。
はい,専門学校時代は,勉強にアルバイトに忙しくしていました。岩船にある漁港やブルボンのお菓子工場でアルバイトをたくさんしました。
ー漁港もブルボンも,新潟ならではのアルバイトですね!
お祭りのアルバイトをしたのも思い出深いです。村上市はお祭りが多いのですが,「おしゃぎり」というおみこしの担ぎ手のアルバイトもしました。町内ごとにおしゃぎりがあるので担ぎ手がたくさん必要なんです。
ー忙しい学生生活だったようですが,運動も続けてらっしゃったのですか?
はい,ダンスサークルに入っていました。身体能力の高い人へのあこがれがあり,ブレイクダンスに打ち込みました。ストリートでブレイクダンスをしている人に声をかけて一緒に練習したりしました。
ーブレイクダンス!格好いいですねー!
高い身体能力という,自分にないものを身につけたかったんですね。運動を通して努力することで結果がでることを学びました。同時に,努力だけでは他の人が本来持っている素質にはかなわないことも実感してきました。それからは,自分の得意分野を伸ばすことに意識が向いていきましたね。
ー運動のご経験が先生の考え方に影響を与えたのですね。卒業後も新潟県内で就職されたのですが?
はい,小千谷市の病院に勤務しました。神経難病の方が多い病院で終末期の方も入院されていました。そのため機能改善というより,今できることを最大限活かすことに重きを置く臨床を行いました。長く病気と一緒に生きる人はどのように病気をとらえているのか,ご家族はどのように病気を受け入れていくのかを知ることができたのは,良い経験となりました。
ー機能改善を目指すリハビリテーションに従事する言語聴覚士が多い中で,先生のご経験は非常に貴重だと思います。
この病院には何年間お勤めになったのですか?
8-9年ほど勤めました。専門学校時代の恩師から声をかけられたのがきっかけで,本学に勤務することになりました。
ー大学で勤務する決心をされたとき,決め手となったのは何だったのでしょうか?
病院に勤務しているときから研究はしており論文も発表していましたが,中途半端な感じがしていました。もっと研究したいと思い,大学院生をしながら大学で勤務する道を選びました。
ー実際に大学で勤務されてみて,病院の勤務とどのように違いましたか。
「世界が広がった」と思いました。今までは病院を基準に物事をとらえていましたが,学会で幅広い領域の研究者と意見をかわすことで,一個の病院や施設にとらわれない広い視点を持つことができました。
ーご専門は発声発語器官の障害,言語聴覚療法では「発声発語障害」と呼ばれる障害を扱っておられます。
この研究に関心を持ったのは,病院で勤務しているときに本学の西尾正輝教授の指導を受けたことです。臨床業務の中で一番苦慮したのが発声発語障害の臨床でした。発声発語障害には舌や口唇などの運動面だけでなく,自分の発話をどの程度正確に聞き取れているかといった,認知面も大きく影響します。まだ解明されていない面が多くあるのが,この研究に取り組みたいと思った一番の理由です。さらに発声発語障害は「話す」ことに直結する障害なので,言語聴覚士ならではの研究だと思い,それもこの研究に惹かれた一因です。
ー現在は週一回,大学外で臨床業務も行われているそうですね。
はい,以前は魚沼市にある新潟大学地域医療教育センター 魚沼基幹病院という急性期の病院で,成人のリハビリテーションを行っていました。
現在は新潟市にある小児歯科のクリニックで,お子さんの発音の障害や異常嚥下癖をみさせていただいてます。
ー異常嚥下癖とは何ですか?
食べ物を飲み込むときに,上顎と舌を合わせるのではなく,歯に舌を押し付けて飲み込むお子さんがいます。このように正常とは異なる飲み込み方を「異常嚥下癖」と言います。お子さんの発声発語器官の障害は,自分の専門である成人の発声発語器官の障害の研究に活かせるヒントがたくさんあります。
ー成人だけでなく小児の臨床にも精通し,研究がさらに深まりそうですね!
最後に高校生へのメッセージをお願いします!
進路がまだ定まっていない方は,まずは自分の興味があることに取り組んでみると,何かがみつかると思います。それが言語聴覚士につながるものでしたら嬉しいですけど,まずは自分に合ったものを見つけてほしいと思います。
田村先生,インタビューにご協力いただきありがとうございました!
田村先生は,10/23(土),10/24(日)に本学で開催されるWebオープンキャンパスの目玉企画,トークライブに出演されます!
このインタビューで田村先生に関心を持たれた方はぜひ,オープンキャンパスのトークライブもチェックしてください!!
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