器質性講音障害とは・・・
先天性(生まれる前から)、後天性(生まれた後に)を問わず声帯(喉)、舌、下顎、唇、口蓋垂などの発声発語器官のかたちや働きの障害により起こる構音障害です。
先天性に代表されるものには…
口蓋裂、舌の形態異常(巨舌症、小舌症)があります。
特に口蓋裂では、生まれつき口の中の筋組織、骨組織に裂がある状態なため、鼻咽腔閉鎖不全といった軟口蓋の動きが悪くなることがあります。
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ここで少し実験です。
「まみむめも」を鼻をつまんだ状態で言ってみてください。
どうですか?「ぱぴぷぺぽ」になりませんか?
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私たちが「まみむめも」を言うときに、口の奥にある軟口蓋が下がることで鼻に空気が流れ発音することができます。
逆に「ぱぴぷぺぽ」では軟口蓋が上がることで鼻へ空気が抜けるのを防ぎます。
ところが、口蓋裂では軟口蓋の動きが悪いために「ぱぴぷぺぽ」が言えなくなるなど、さまざまな構音障害が現れることがあります。
後天性に代表されるものには…
神経疾患や腫瘍の術後などがあります。
舌や下顎の歯列裏にある口腔底に悪性腫瘍がある場合には、これを切除しなければ命に関わることがあります。
腫瘍が大きければ切る範囲も大きくなり、舌を動かしにくい、もしくは舌が小さくなるために本来の舌の動きができない状態となり構音障害が現れます。
舌が小さくなってしまった場合には、舌接触補助床を上顎に装着することにより、舌を上顎に届きやすくして構音を助けます。
写真は鼻息鏡です。
鼻から息がどのように漏れているか確認します。