こんにちは。STkouhouです。
本学科では3年生の秋に,学外施設で3週間の臨床実習(臨床実習Ⅱ)を行います。
2年生で行う臨床実習Ⅰはグループで施設に出向き見学を行います。
しかし3年生で行う臨床実習Ⅱは,各施設に通常一人ずつ配属されます。
また,症例に対する評価を行い,実習終了時までに症例報告書にまとめるのも,臨床実習Ⅰと大きく異なる点です。
先日各学生が配属される施設や実習日時が発表され,現在3年生は準備にとりかかっています。
実習中の宿泊先や交通手段,コロナ感染対策,実習先で対象とする患者さんの疾患や障害,実施されている検査などを確認しています。「学生紹介書」という履歴書に準ずる書類も作成し,実習先に提出します。
今週からは実習準備の一環として,「実習前教育」というオムニバス授業が始まりました。
「実習前教育」とは,実習前に身に着けておくべき知識やスキルを補うための授業です。各教員が1コマずつ担当します。
下記に実習前教育の内容の一部を紹介します。
臨床実習の心得
感染予防の基礎知識と実践方法
難聴者に対する配慮
実習中のメンタルヘルス・マネージメント
成人領域の症例報告書の書き方
患者・実習指導者とのコミュニケーション
患者さんと話そう~フリートークの重要性
このうちの「患者さんと話そう~フリートークの重要性」は,伊藤さゆり助教による講義です。
言語聴覚士の主たる業務は言語障害のリハビリテーションですが,患者さんを担当してすぐに言語障害の評価や訓練に取り掛かることはしません。
病気やケガをしたばかりの患者さんは,ご自身の言語障害を十分認識できていない場合があります。そのような方に言語の検査や訓練を提案しても協力を得られにくく,訓練拒否につながることもあります。
言語聴覚士は患者さんの言語機能に合わせたフリートークを行うことで,患者さんのコミュニケーション意欲を引き出し,患者さんとの信頼関係を築いた上で,評価や訓練へと進んでいきます。
また,一見何気ない会話を通して患者さんの症状を確認していきます。さらに患者さんの趣味や好みなど,訓練に利用できる情報を引き出していきます。
今回の授業では,主に失語症の患者さんとのフリートークに役立つコツについて解説が行われました。
多くの方にとって言語のリハビリテーションというと,絵カードの名前を言う呼称訓練や発音訓練といった,いかにも訓練らしい訓練が,イメージしやすいのではないかと思います。
しかしフリートークで言いたい言葉が言えた,伝わった,相手の言うことが理解できた,といった,コミュニケーションの成功体験こそ,言語のリハビリテーションの醍醐味ではないかと感じます。
学生たちも患者さんとのフリートークを通して,コミュニケーションの大切さ,言語のリハビリテーションの醍醐味を実感してほしいですね。
頑張ってください!!
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