こんにちは。
STkouhouです。
前回から2年生の授業科目『神経科学』をご紹介しています。
この授業では脳、脊髄、末梢神経についての解剖生理や検査方法、関連する症状や疾患について学びます。
脳の損傷に関わる障害のリハビリテーションに携わる言語聴覚士にとって、大変重要な科目です。
講義担当は今村徹教授です!
今村先生の紹介はこちら
脊髄に関する演習の続きです。
今回は表在反射の一つである、バビンスキー反射を学びます!
表在反射とは、皮膚や粘膜に刺激を加えることで、その周りの筋が収縮する反射のことです。
前回までご紹介した筋伸張反射とともに、神経内科医が診察に利用する、
比較的単純な運動反応を生じる反射の一つです。
バビンスキー反射を引き起こすには、足の裏を刺激します。
今村先生はここで舌圧子(ぜつあつし)を取り出しました。
舌圧子とは、写真のような木でできた棒です。
初めて見る方には、アイスの棒にしか見えません
舌圧子は言語聴覚士が口腔内を観察する際に使用する、
おなじみのアイテムです。
先生はこの舌圧子を割って作った破片の、尖ったところを使って刺激します。
バビンスキー反射は、
足裏の外側を踵から足の指先にむけてゆっくりとこすり上げると引き出され、
足の指がゆっくり曲がります。
学生達の実践では、このこすり上げ方が弱かったようで、
なかなか反射が生じません。
今村先生が代わって行うと、被験者の学生が痛くてびっくりしていました。
この点について、今村先生が言及しました。
医療の現場では、患者さんには痛いこと、苦痛を与えることをしなくてはならない。
その場合は曖昧な説明をせず、これから何を行うのか、その目的は何か、はっきり説明してから行うことが重要。
患者さんは医療者を信頼し、協力を得られやすくなる。
これは本当に重要なことです。
学生や新人言語聴覚士は、患者さんに何か行う際、
ついつい患者さんに嫌われることを恐れて、説明が曖昧なまま患者さんに協力を求めがちです。
しかし患者さんの多くはもともと医療者を信頼しているのですから、
説明不足のまま患者さんに苦痛を与えますと、患者さんに不信感を与えることになります。
2年生の皆さんはまだ患者さんに触れ合う機会はないですが、
もうすぐ始まる実習に出る際に、今日の今村先生の言葉をぜひ思い出してほしいですね
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