こんにちは。STkouhouです。
突然ですが皆さん、『人生会議』と聞くと、何を連想されますか?
なんだか演歌のタイトルみたいですかね?
実はこれは、患者さんが終末期の治療に対して、
ご家族や医療者と治療方針について話し合うことにつけられた名前なんです。
正式には『アドバンス・ケア・プランニング(ACP)』という名前なのですが、
これではちょっととっつきにくいので、
愛称が公募され、この度『人生会議』に決まったそうです。
この愛称は、厚労省が公募して決定した、れっきとしたものなんですよ。
患者さんが終末期になって意思表示ができなくなってしまうことに備え、
将来の治療方針について患者さんと周囲の人達で治療方針について話し合うことは、
日本ではまだまだ普及していないということで、
厚労省が周知を目指しているのだそうです。
愛称の選定には、くまモンの生みの親の小山薫堂さんやお笑いタレントの小籔千豊さんも関わっています。豪華な面子ですね
ちなみに11月30日は語呂合わせで“いいみとり”の日となるため、
人生会議の日として広報していくようです。
この話題が言語聴覚士とどう関係あるのかな?
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
言語聴覚士というとリハビリテーション、
つまり機能の改善を目指すのが仕事ではないの?終末期とは関係ないのでは?
というご意見もあるかもしれません。
たしかに機能改善は言語聴覚士によって重要ですが、
リハビリテーションという業務には、機能を回復だけを意味するのではありません。
たとえ機能が改善せず進行していく病気であっても、
その方の生活の質を高めることも、リハビリテーションの仕事の中には含まれています。
たとえば言語聴覚士は、食道がんで口から食べ物を摂ることが困難になった終末期の方に対し、
最後までごく少量でも口から食べ物を食べられるよう、
食べ物の形態の調整や口腔ケアの実施などに関わります。
終末期の治療方針の決定には、人生の最後の生活の質をどのように保つか、
が大きく関わってきます。
終末期に携わる言語聴覚士まだまだ少ないですが、
今回のニュースで終末期に対する意思表示について理解が広まると、
言語聴覚士も今後『人生会議』に参加する場合が増えていきそうですね。